遂にアメリカ行きを承諾した私は出発までの約1ヶ月間、通常業務の合間を縫って「米人教育」のための準備に取り掛かりました。
ゼロベースから教育カリキュラムの作成、理解を得るための資料の作成。また想定される問題の対処法など、先方が求めてくるであろう事柄を想定し備えていきます。
会社の誰かとするのではない・・・私が一人でやらなければならない仕事。
「緊張」と「不安」が入り乱れる気持ちを落ち着かせながら、事務所で一人黙々と進めます。
そんな中、事務所の入り口の窓越しに「嫌~な感じ」の視線が・・・。
そう、あの人です。
窓越しから無言で睨む上司!
窓越しにジ~ッと「嫌~な感じの視線」を私に送っていたのは、直属の上司「S部長」でした。
窓越しから明らかな「敵意のまなざし」を向けるだけで、何も言ってきません。
私は、
「S部長が覗いているな…さっきから2~3分も覗いて、何やってるんだろう」「ほっとけ!こっちは社長の指示で動いてるんだから」
と無視してPCを叩きます。
それから数秒して、私はもう一度チラリと見ると、もうそこにS部長はいませんでした。
「やっと行ったか…何の用だったんだろう?まあ、要件があれば言ってくるだろう」
と考え、そのまま私は自分の仕事を続けました。
S部長の陰湿な感じは今始まったわけではないから「また始まったな!」という程度にとらえ、深く考えないようにしました。
しかしなんと、次の日も事務所の窓越しから「睨む」S部長の姿が!!
「一体なんなんだ???」
「なんか言いたいことがあるなら言いに来いよ!」
と私はイラ立つ気持ちを自制し、作業を進めようとするのだが、S部長の様子に気がとられて思うように進まない・・・。
「落ち着け・・・私は自分の業務をこなしつつ、その合間に事務所で特別に任命された仕事の準備をしているのだ!」
「主要取引先からの依頼を社長が受けて、それを私が任され実行するのだから、私を通常業務から離れられるように協力を示さない者は【社長の意図】に反することになる!」
「社長や工場長から管理職に対して、私が現場を空けることにより他の従業員に負担が掛かる場合は残った者で対処するよう言われている。それは問題の管理職たちからも理解をもらっている!」
しかしどうも、S部長だけは納得していなかったのです!
S部長が言った驚きの主張!
事務所で資料作りをするようになって3日目、とうとうS部長が窓越しから睨むだけでは我慢ならず、いきなり扉をバーン!と大きな音をたてて開け、私の元へツカツカと勢い勇み怒鳴り込んできました。
そして、こんなことをおっしゃいます。
「現場に姿を見せないオマエは、部下にどう思われるか分かっているのか?」
「仕事をしないでサボっていると思われても仕方がない行動は控えろ!」
と凄い剣幕で怒鳴るのです・・・。
部下は私の状況を理解してくれていますから、サボっているとは誰も思っていない事は明らかです。
理解できていない・・・したくないのはS部長自身で、この言葉は彼のゆがんだ心情を正当化するための屁理屈でしかないのです。
当然、私は反論しました。
「社長からの命を受けて、このような動きを取っている。だから、あなたも私も逆らうことは出来ない」と・・・。
すると、S部長は悔しそうにこう言いました。
「だったら事務所でなく、誰も目の届かない所でやれ!」
「オマエがサボっている所を部下に見せると皆の意識が落ちるからな!」
と、理解しがたい身勝手な理屈でわめくのです。
本当にこの、Sクソ部長には腹が立ちます!!いったいどうしたらこんな人格が出来上がるのか?
こんな奴が一人いる限り、会社組織の若い世代は成長しないし、元々優秀な人材も腐っていく。
仕方なく私はS部長に、
「わかりました。ではM工場長と相談し、私の新たな場所を決めてもらいます。ただし決まるまでは、この事務所でさせてもらいます」
と、平然と答えてPC作業を再開しました。
はらわたは煮えくり返っていますが、あえて平然な態度を取ることが「仕返し」になると考えたからです。
続きは、転落人生の始まり!?でも当時は気がつかなかった ⑱で書いていきます。
Y会社を辞めて3年が経った今でも、当時の部下と飲みに行き近況を聞きます。辞めた身分で元部下が現在も務めるY会社の批判をするのは控えていますが、Y会社はまさに【死に体】と化しているのは間違いなさそうです。
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